結婚がテストテロン値を下げる?
東京大学教養学部の長谷部寿一先生による血中のテストテロン濃度を調べたデータに面白いものがあります。
それは、「男性は結婚すると男性ホルモンであるテストステロン値が下がる」という調査結果です。
4つのタイプの男性のテストステロン値を測定
この調査は以下の4つのタイプの男性に分けて調査されました。
- 既婚者であり、現在もパートナーと性交渉のある男性
- 既婚者だが、パートナーとの性交渉が無い男性(セックスレス)
- 独身者で性交渉のパートナーがいる男性
- 独身者で性交渉のパートナーがいない男性
この4つのタイプの男性のうち、最もテストステロン値が低かった男性のタイプはどれだと思いますか?
テストステロン値が一番低かったのは、既婚、性交渉ありの男性
答えは1です。結婚をしていてなおかつ、妻との性交渉がある男性が一番テストステロン値は低いとの結果が出ています。
逆に一番テストステロン値が高かったのは、4番のタイプで次に高かったのは2番の男性です。
この理由として、テストステロンは男性の闘争心を引き起こす男性ホルモンであることが影響しているといわれています。
人に限った話ではないですが、動物のオスは自分の遺伝子を残すためにメスを求めます。その際には、他のオスとの競争や戦いに勝つために、強い闘争心や攻撃性が必要となってきます。
パートナーのいない男性は、本能的な部分でメスを勝ち取れるように、テストステロンを多く分泌する。逆に結婚した男性はメスを勝ち取る必要性が無くなるため、男性ホルモンの分泌が弱くなってしまうという男性本来のメカニズムが働いているといえます。
ただし、結婚をしていても妻との性交渉の無い男性は、どこかで浮気心が働くのかテストステロンの分泌はそこまで衰えないということでしょうか。
子どもができることでもテストステロン値は下がる
男性は結婚して子どもが出来ると、テストステロン値が30%も下がるという研究の結果もあります。
結婚を機に太り出す男性も多いですが、これは妻の料理が美味いのでつい食べ過ぎるからという理由では無く、結婚することによってテストステロン値が下がり、筋肉量が落ちるためカロリーを消費しずらくなるからだという説もあります。
いずれにせよ、結婚している男性はテストステロン値が低くなる傾向にあるのは間違いありませんので、男性更年期障害の予防としてテストステロンが大きく減少しないような対策が必要といえます。